腰痛は改善できる!健康な身体に戻すなら今だ!
1.腰痛はいつでも、突然起こる
腰に痛みを感じると、多くの方が整形外科の病院や診療所を訪れます。
「床に落ちているゴミを拾おうと腰を曲げたら、痛くなった」
「棚の上の荷物を取ろうと、背伸びをしたら腰の調子が悪くなった」
など、何かの動作をしたことが、腰痛の原因だとおっしゃって来院される方も少なくありません。
しかし、ここで大切なのは、
「この腰の痛みは何か特別な動作をしたことがきっかけで起こったのではない」
ということです。
転んで腰を強く打ったり、階段を踏みはずして転落したりなどの出来事があれば別ですが、
そうでない場合、腰痛になる芽は、痛みを感じる前から日常生活の中に潜んでいます。
それが蓄積されて腰への負担が限界に達したとき、痛みという現象になって現れただけなのです。
つまり、腰痛を予防するためには、ふだんの姿勢や生活習慣を見直すことが大切になってきます。
腰痛をかかえる人は、程度の差はあれ、生活のどこかで腰に負担をかけています。
だからこそ、腰痛の予防・改善のためには、生活習慣の見直しと適切なストレッチのような体操が欠かせません。
2.腰痛が起こる原因と関わる筋肉
2-1.腰周りの筋肉の役割と腰痛との関係
腰痛に関わる腹筋と背筋には、腹直筋、腸腰筋、腰方形筋、脊柱起立筋などがあり、
この筋肉が衰えたり凝り固まったりすると、腰の負担が大きくなって、痛みにつながります。
①【腸腰筋】
股関節の深部にあるインナーマッスルで、大腰筋・腸骨筋・小腰筋の3つの筋肉の総称です。
腸腰筋は、腹筋の代表格といえる筋肉です。
腰を前に曲げるときに使いますが、デスクワーク中心の姿勢でいると腸腰筋が縮こまってしまい、
反り腰や骨盤のゆがみの原因となります。
腸腰筋は奥深くにある筋肉なので、
外部からのマッサージでアプローチするのが難しいとされています。
②【腰方形筋】
腰の奥深くにあり、腰椎を両側から支えている長方形の筋肉です。
姿勢を安定させるのに重要な役割を果たしています。
腰方形筋は左右対称についている筋肉なので、
そのバランスが崩れると、片方の腰だけが痛んだり、腰をひねったときに痛みが生じたりします。
③【脊柱起立筋】
頭蓋骨から骨盤まで背骨に沿ってついている長い筋肉です。
一般的に、背筋と呼ばれています。
背骨をまっすぐに保つ働きがあり、正しい姿勢の維持には欠かせません。
脊柱起立筋が弱くなると、S字カーブが深くなり、腰に負担がかかります。
3.あなたの痛みはどのタイプ?タイプ別対処法
3-1.手術が不要で原因を特定しづらい腰痛
一般的に腰痛というときは、手術が不要な腰痛を指している場合が多いため、
今回はそのうちの4つのタイプについて解説していきたいと思います。
①【筋、筋膜性腰痛(筋肉痛)】
筋性腰痛は、筋肉の使いすぎによって起きるいわば「筋肉痛」で、酷使した場所に炎症が起きた状態です。
運送業など肉体労働が多い人、また、同じ姿勢を続けるデスクワークの人にも多く見られます。
痛い場所をピンポイントで特定できるのが特徴で、そこをほぐしてあげると軽快します。
②【椎間板性腰痛(前かがみ姿勢)】
前かがみ姿勢での腰痛は、背骨の椎骨と椎骨の間にある「椎間板」に問題があり、
物を拾うなど前かがみになったときに、椎間板が圧迫されて痛みが出ます。
背筋が弱い人に起きやすく、猫背や前かがみになりがちなデスクワークの人にも多いです。
この腰痛は、揉みほぐしても良くならないのが特徴です。
③【椎間関節性腰痛(反り姿勢)】
反り姿勢での腰痛は、電車のつり革を持つ、洗濯物を干す、赤ちゃんを抱っこするなど
反り気味の姿勢を取ったときに、背骨の後ろ側にある椎間関節がぶつかることで痛みが生じます。
腹筋が弱いために反り腰になっている人に起きやすく、女性に多く見られます。
この腰痛も、揉みほぐしても改善しません。
④【仙腸関節性腰痛(お尻付近の痛み)】
この腰痛は、厳密に言うと腰ではなく、お尻近くにある仙骨のつけ根の歪みや炎症が原因で起こります
産後の女性に圧倒的に多い腰痛です。
妊娠中に分泌されるホルモンの作用で緩んだ仙腸関節の靭帯が、
出産後に正常に戻らないことで起きるケースが多いです。
3-2.それぞれの痛みに合ったストレッチ、筋トレ
①【筋、筋膜性腰痛】には『両足抱え』
まずは両足抱えです。
方法は、仰向けの状態がスタートで両足を体のほうに近づけるようにして膝と股関節を曲げます。
そこから、足を体に近づけたり離したりしながら腰の筋肉を伸ばします。
ポイントは呼吸です。
腰の筋肉は呼吸に関与する筋肉が存在するため、呼気で足を体の方に近づけ、吸気で近づけた足を離します。
必ず呼吸法方法守って実施しましょう。
②【椎間板性腰痛】には『背筋を鍛える筋トレ』
1.あお向けになって膝を曲げ、両手は体の横に伸ばします。
2.首から膝まで一直線になるまで、お尻を持ち上げましょう。
3.そのまま20 秒間キープ。
③【椎間関節性腰痛】には『腹筋を鍛える筋トレ』
1.まず仰向けになって軽くひざを曲げ、手を太ももの上に置きます。
2.肩が床から10cm位離れるところまでゆっくり上体を起こし、姿勢をそのまま5秒間保ちます。
3.5秒たったらはじめの姿勢に戻ります。
④【仙腸関節性腰痛】には『外もも伸ばし』
1.足にヒモを引っ掛け脚を少し上げ、内側へひっぱていきます。
※30秒を3セット
4.腰痛予防は正しい姿勢から
普段なにげなくとっている行動も、実は体に負担をかけています。
いつも正しい姿勢を意識して、肩こり・腰痛を予防しましょう。
【椅子に座るときは深く腰かける】
深く腰かけ腰を背もたれにつけましょう。
ひざの位置がお尻より少し高くなるのが理想です。
【重い荷物は必ずしゃがんで持ち上げる】
お尻とひざの位置を低くして、
体を荷物に近づけるようにして体全体で持ち上げましょう。
【本やスマホを見るときは目線の高さで使用する】
背筋を伸ばし、なるべく画面が目線と同じ高さになるようにキープしましょう。
【枕を正しい高さのものにする】
あお向けで寝たときにあごが上がったり、引いたりしない枕を選びましょう。
5.腰痛予防ストレッチ
①「腸腰筋」編
腰を背中側から支えているのが脊柱起立筋という筋肉で、お腹側から支えているのが、腸腰筋です。
腸腰筋は太ももを持ち上げる働きがあり、座っていると縮み、立つと伸びます。
腰痛の人は腸腰筋が硬くなっていることが多いので、このストレッチでゆるめていきましょう。
1.足を前後に大きく開いて立ちます。手を腰に当てておきます。
2.右ひざを深く曲げ、上半身を下げて、股関節を伸ばします。
3.この姿勢を30秒キープしましょう。
4.足を入れ替えて5回セット
②「太もも」編
太ももの後ろの筋肉(大腿二頭筋)は骨盤の坐骨についているため、
ここの筋肉が固まると骨盤が引っ張られて背骨のバランスを崩し、腰痛の原因になります。
このストレッチで筋肉をゆるめ、関節の動きをよくすることで、腰痛を防ぎましょう。
1.足を肩幅より大きく広げます。
2.左のひざを曲げ、右足の太ももの後ろを伸ばします。
3.この姿勢を30秒キープしましょう
4.左右の足を入れ替えて、5セット
※片足をイスの後ろにのせ、太ももの裏を伸ばすのも、効果的です。
③「腰」編
固まった腰椎やその周囲の筋肉をゆるめるストレッチです。
腰部脊柱管狭窄症の方にもおすすめしているストレッチですが、
腰椎椎間板ヘルニアの方は、椎間板が押し出されて痛みが増すことがあるので、行わないようにしてください。
1.イスに座り、ひざを抱えるように上体を前に曲げます。
2.30秒キープして元の姿勢に戻ります。
3.繰り返して3〜4セット
④「胸」編
腰を丸めるストレッチをしたら、今度はその逆です。
腰痛は背骨のS字カーブが崩れ、腰への負担が増すことで起こります。
胸のストレッチをすると、猫背を矯正し、正しい姿勢づくりが期待できます。
1.足を肩幅に開いて立ち、両腕を背中に回して左右の手を握ります。
2.顔を上に向け、ひじを伸ばして胸を張りましょう。
(両腕を握ったまま、左右の肩甲骨を寄せるイメージで、体からできるだけ離して、
後方、斜め下の方向に押し下げます)
このとき、胸の左右が伸びるのを意識しましょう。
※首を後ろに反らすと痛い方は、顔を正面に向けたまま行ってもかまいません。
3.30秒キープしたら、力を抜いて1の姿勢に戻ります。
4.これを3回セット
6.腰痛を治すために出来ることから始めましょう
「どうせ一生のつき合いだから…」
「歳だからしょうがない」
とあきらめがちな腰痛も、
姿勢の改善や運動を習慣化することで、回復する可能性大です!
腰痛のない晴れやかな生活を目指して、まずは1日少しずつ運動からチャレンジしてみましょう!
今回、腰痛の原因や改善策をお伝えしましたが、なかなか症状が改善されずにお悩みの方は、
当院のような専門治療院に一度ご相談ください。
何故ならば、自分の意識だけでは、ついつい自分のとりやすい姿勢をとってしまったり、
いつの間にか身体への配慮を忘れてしまいがちだからです。
そもそも、「自分の考えている原因」と「実際の腰痛の根本となる原因」が合っていないことも有り得ます。
他力を借りることで、明確な対策を取れるようになります。
あなたの身体の状況に合わせた腰痛対策を行なって、痛みを減らしていきましょう。
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